綻 び は 突 然 に



it was a very normal day

その男――この学園で一番偉い人である大川平次は追い詰められていた。
事の始まりを何処だと言えばいいのかは分からないが、理解出来るのは、今が都合の悪い状況だという事。

――いたか?――あっちだ!

柱に身を潜めて追っ手をやり過ごす。冷や汗が静かに頬を伝った。騒然とし始めた学園内。味方は極少数。圧倒的不利な状況下で息を呑んだ。

(早く――せめてこの事を三郎に伝えねば)

縋る様に足が向かった先は、彼らが活動の場として用いている放送室だった。防音設備の整った閉鎖空間。篭城するにも恐らくは都合の良い場所――そう当たりを付けたというのに。

――いたぞ!――放送室に逃げ込むつもりだ!!

すんでの所で追っ手に姿を捉えらた彼は、抵抗空しく、逃れた先の放送室で、背後に逃げ道を失ってしまった――。

――さぁ。観念してください学園長。学級委員長委員会がスパイを送り込んでいる事はお見通しなんです。
――生徒になんて事をさせているんですか。
――大人しく降参してください。

(――ここまでか。)

もう後がない事を悟れば、静かに俯いて追っ手――委員会顧問である教師達の声を聞いた。自分達の事は棚に上げて白を切り通すつもりの彼ら――そして追い詰められた学園長。この構図は覆る事無く、彼がスパイ活動を認めて全ては終わる――そんな学園であったなら、毎回騒動は起こらないだろう。
誰よりも子供らしく、我侭なその男は、さぁさぁと詰め寄られる度、静かに体を震わせて――。


「何じゃ!スパイ活動くらいどの委員会もみんなやっておるじゃろ!」


癇癪を起こしたその一言。
――まさかそれが全校放送として流されているなんて、教師達は気付いておらず。何を言っているんですか学園長!その慌てた静止の言葉が、まざまざと肯定を示していた。

――先生方、マイクマイク!――え?あ、まさか!?

拗ね顔の男に詰め寄る教師陣に、委員会には関係ない教師が慌てて全校放送の事実を知らせに駆け込んで来た。慌てて放送マイクのスイッチを切れば、校舎のざわめきが此処まで届いて。――終わりだ。頭を垂れる教師陣を尻目に笑い出した彼は、相当に皆の意思を一つに固めた事を知りはしない。


――嗚呼なんて事だ。


嘆いたのが教師だけではない事を、今の彼らは知り得なかった。
そしていとも容易く、非常識な関係は、終わりを告げた。



the description

セカンドプチイベント――と銘打ちつつものためのでは重要な転機になる(かもしれない)当イベント。
コンセプトは「日常的になった非日常の崩壊」…というとかっこよく聞こえる気がします。つまりはネタばらし編です。
相変わらず流れは上記ストーリーの通り…、となっておりますが、今回はレス数に制限が付いております。
分かり易くなるかなと箇条書きで纏めてみましたので下記をご覧ください。

親記事:男の子 [ 声を掛けても掛けなくても構いませんが、シチュエーションはLHR前の休み時間、場所は自由です。 ]
レス1:女の子 [ ごく普通のレスをどうぞ。 ]
横レス:学園長 [ ストーリーにある流れでの、学園長の口を滑らした全校放送レスが入ります。 ]
レス2:男の子 [ 反応自由、おすきにどうぞ! ]
レス3:女の子 [ 反応自由。ただし、最後に 本鈴のチャイムを鳴らす事 だけはお忘れなく! ]
レス4:男の子 [ レス2にて撤退をしていない場合はもう1度レスが付けられます。ここでは撤退必須です。 ]
レス5:女の子 [ レス3にて撤退をしていない場合はもう1度レスが以下同文です。 ]

流れが固定ではありますが、比較的自由度は高めにとってあると思いますので各ペアの個性を出していただければ、と!

期間が23日〜31日と表記してはありますが、こちら、2月より予算委員会議を開始するために表記してあります日程ですので、2月にはみ出す事をあまり気にせずにレスして頂ければ嬉しいです。恐らく、ペアによっては大きな転機になるだろう当プチイベント、急いて満足のいかないレスを返してしまうよりも、じっくりと満足のいくお返事をして頂ければとちなみは思っております!

また、この日を境に、顧問からのスパイ活動の言い付けは撤回される事となります。
最後に、蛇足的説明となりますが 入門票の方はパラレルどんとこい で、気楽な雰囲気をお楽しみください!



their story

------ 校 舎 ------
[ 平滝夜叉丸 × 梅宮千里 ]
[ 立花仙蔵 × 小野原夏帆 ]
------ 委員会室 ------
[ 綾部喜八郎 × 千曲若葉 ]
[ 善法寺伊作 × 夙川希咲 ]
------ 敷地内 ------
[ 鉢屋三郎 × 吉野まな ]
[ 潮江文次郎 × 芳川菜生 ]

[ 小松田秀作 × 百枝梢子 ]