(終鈴が響いてからもクラスメイトに足を止められる事の多い彼らは、各々集まるペースが違う。それでも誰かしら訪れる頃にはそれが常と言える程に快適な空間が準備されており、くつろぎ始めるのも早いのだけれど――本日も例の如く。最初に到着した彼は、集合を待つ間に始めた本日の課題に頭を悩ませていた。)
いや、だからそれだと――、…だろ。
(後から来た今福も加えて熱心に課題をこなしている姿は、とても普段い組はは組はといがみ合っているようには映らないだろう。尤も彼ら自体の仲は悪くはないのだから、当然と言えば当然なのだろうけれど。「ややこしいなぁ…」とぼやかれれば、ほんとに、と首肯しては肩を竦める。そんな光景もありふれたもので、恐らく学園長室にいる上級生達には、彼らが暫くは質問に来ることがないという事もお見通しだろう。真面目な下級生は余り手が掛からないとも言えるけれど、だからこそ他の委員会と違い無邪気な声が響く事も少ないと言えるだろうか。とは言えそんな勉強会も、声が掛かれば中断される筈。それまでは、中睦まじく設問を掬い上げて――)