性格・備考
「時間は限られてるんだから、大切に使っていかないと」――なんてことをよく口にする彼女だが、せかせかした様子は見られず、それどころかぼんやりゆっくりスローペース。人よりちょっとのんびりしているのが、千曲若葉という少女である。理解力や判断力にもやや難はあるようだが、物凄く良く言うならば、落ち着いていると言い換えることが出来るかもしれない。ぼーっとしていたり気の抜けた笑みを浮かべていることが多く、人当たりのいい雰囲気を持ち合わせているとも言えようが、そんなぽややんとしたテンポにどこか頼りない印象を与えることもあるだろう。そんな彼女だが、何度か委員会議の参加に遅れた委員を、「ちょっと探してきます。」の一言と共にあっという間に連れて来たことは意外な特技として認知されている。その足の速さは夜中こっそり家を抜け出して天体観測に勤しんだり、祖父の仕事場に忍び込んで見つかった際の逃げ足によって培われてきたというのだから、彼女の無鉄砲さも伺えるだろうか。抜けてるようで何をしでかすか分からない、といった点は彼女の幼稚さを表しているのかもしれないが、結局の所やっぱりぽややんな彼女、最大の弱点は馬鹿であること、だろうか。天然めいた馬鹿さで周囲を疲れさせることも間々あり、そういった点で言えば、図太い神経の持ち主といえるだろう。ただ「馬鹿は困る」と自覚をしている為、どうにか治せないものかとは考えているようだけど、"馬鹿に付ける薬はない"とはよくいったもので、そんなことに真剣に悩んでいること自体が周囲に生暖かい視線を向けさせることになっているとは、千曲本人は気付いていないのである。そんな頼りない千曲であるが、意外にも所属は学級委員長委員会と、クラスのまとめ役であるはずのポジション。しかしその委員についた経緯を聞いてみれば、放送が楽しそうだったからとか、地味さが勝り積極的にやりたがる者も他にいなかったから、という理由に過ぎない。その為委員会内では1年生よりも頼りなく映ることは間々あり、先輩の悪戯に引っかかる回数もダントツである。千曲が学級委員として頼りない分、周りがしっかりしなければ、とクラスを団結させる力はいい意味で働いてるようだが、最近では指示もそれなりに出せるように努力はしているらしい。「流れ星にお願いしたら頭良くなったりしないかな」と真剣に検討しつつ、当面は頭の足りなさを一生懸命さで補うつもりではいるようだけど、裏目に出ないことを願うばかりだ。
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