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[No.2]
(昼休みの中庭―ベンチに座り広げるのは文庫本、か。)
名前:平滝夜叉丸
(昼食も取り終え、先日図書室から借りたばかりの本を片手に日の当たる中庭へと繰り出した。校舎の壁に沿って並ぶベンチには運よく誰も座っておらず、滝夜叉丸が近づくことで嫌がる―いや、滝夜叉丸本人にとっては黄色い声が聞こえる、こともない。ゆっくりと本が読めるだろう、そこへと腰掛けて一息つけば、温かな日差しの中冷たい、けれど緩い風が吹いて、前髪がサラリとなびいた。)…ふっ、(思わず零れた笑いの理由は最早語らずとも良いだろう、ケアを欠かさない“美しい”髪のなびく様子に口元が緩むばかり。あぁ、周りに誰かいればよかったのに。日向のベンチで麗らかな風の中一人ベンチで読書に耽る学園一の美男子を見ることができるなんて、きっととても幸せなことだろうに。いつものようにネジの抜けた薔薇色の脳内、他人が聞けば眉を顰めるだろうことばかり考えながら、ぱさり、音を立ててページを開こう。茶色いブックカバーの被さるその本の中身は教師オススメの古い書物だ。始めこそ読書に耽る自分の姿にうっとりしていたものの、次第に物語の世界に思考は向かっていく―かと思いきや、)え、…あっ(開いたページに挟んでいたしおりが風に乗りひゅんと飛んでいく。ひらりと舞い、風に乗って、少し離れた場所へと飛んで行き―まいったな、とくすり笑って、少しの面倒くささを感じながら取りに行こうと立ち上がった。)
[No.3]
明るい所で本読むと目ぇ悪くしますよー…やっぱ木陰が最強
名前:梅宮千里
(じゃあ頑張れと肩を叩かれたのは先日のこと。仕事があるんだかないんだかわからない、そんなことでいいんかい代表火薬委員は、楽は楽だが如何せん人数が少ない。予算会議に向けての委員会会議、当然の如く全員に仕事が渡された訳である。勿論各々仕事は違えどいつもと同じだろうなんて呑気に構えていたら渡された資料。委員長代理の彼と資料を見比べていれば頑張れ、なんて軽い調子で言われたのだ。怠ける為の努力は怠らない―矛盾した言葉だがそれが梅宮の中では真理である。予算会議までは働くのは止むを得ない。いつもの如く面倒くさいと零せば了承の証だろう、メモをつかんで早速調査を開始したのだ。しかし、である。その調査と言うのが中々に難しい。初めの内は彼が喋る多量の情報を書きとめていたのだが、それが常時であることに気づけば書きとめるのを放棄した。)―や、これは、しんどいっしょ(延々続く話の概要だけを纏めたとしても話題は豊富、言い回しは多様、何処まで書けば良いのか判断がつかない。全部書いて、その資料を丸投げしようかなんて思ってもどうせ自分も付き合わされる。二度手間は嫌いだ。合理主義というわけではないのだが、出来れば合理化に物事を進めたい。しかし、現在彼が居るのは中庭。自身の気に入りの昼寝スポットのひとつである。日が当たれば暖かいこの気温、うとうととまどろみ始めてしまうのは仕方が無いのか―)睡魔に負けるのは仕方ない。だってラスボスだもん(自身の正当化をはかり、今日だけ、今日だけなんて良いながら転寝の体制に入る。瞼が下り、日がやわらかく差し込み―幸せだなぁ、と睡魔に身を委ね様とした瞬間吹いた風。ブランケットも無く自身を襲ったそれにうわぁ!なんて声を上げて飛び起きれば、丁度飛んできた何かが自身の顔にヒットして。あれ、自分火薬委員、これなんて不運。口を尖らせながら何これ、とぶつかったそれを手に取ればどうやら栞のようなのだが。誰か飛ばしたのだろうか、そこまで認識し、あたりを見回した時に気付いたのが、恐らくそれはそこに居る彼、調査対象である平滝夜叉丸のものでは無いかということで)……今日は風が強いですね?(些か視線が外れているのは仕方が無いか、栞を差し出しながら必死に話をそらそうと)
[No.6]
あぁ、木漏れ日に照らされる色男、がお好きなわけですね!
名前:平滝夜叉丸
(吹く風は強く、飛んで行った栞はその場から手を伸ばしても届かない場所へと飛んでいく。仕方ないなと立ち上がり、大して急いだ様子もなくいつもどおりの歩調でそれを追いかければ、そこに居たのは―)えー…梅宮千里先輩?でしたっけ。あぁ、そうですね、今日は風が強い。私が読書に集中しだした途端吹き付ける強い風…風の悪戯というわけでしょうかね、きっと相手をしてくれなくなった私を困らせるために風の精が吹かせたのでしょう、滝夜叉丸の困り顔を見たいがためにね!(栞を受け取ればすぐさま天に手のひらを向け語り始める薔薇色の世界。ふっふっふ、そんな笑い声を交えつつ、彼女の話に逸らされはしなかった。彼女が何故ここにいたのかという疑問は消えることはなかったからだ。)先輩は何故ここに?ただの昼寝…もしくは、…私の姿を見に来た、とか?(ニヤリと不敵に笑う姿は何かを悟っているようにも思えるかもしれない。それを受けて彼女がどう返してくるか、その反応を見る――わけもなく。そう、滝夜叉丸は、滝夜叉丸なのだ。彼女の返答を聞く前にすぐさま喋りだすのはいつもの調子の―)ですよねぇ!いや、わかりますよ、わざわざこんなところに隠れてまでこの滝夜叉丸が見たかった、というその気持ちは!日の光に煌く横顔、そして風になびく髪…あぁ梅宮先輩貴女は運が良かったですねぇこうして風の悪戯のおかげでこの美しい姿を間近で見れたのだから!ふはは、あっはっはっはっは!(自分の良いほうへ良いほうへと考える性格はいつまでたっても直る様子はないようだ。自分大好き滝夜叉丸といえど、年頃の男子高校生であるし女子は好きである。女子の先輩が自分のファンで、ここまで後をつけ自分をこっそり覗いていた――そう思うとたまらないものがあって、一人で話を膨らませてはにやにやにこにこと頬を緩ませるのだ。どこかデレデレとした口調になってしまったのも、そのせいで―)
[No.9]
男といわず美人さんは皆好きだなぁ…その点この学園は眼福デス
名前:梅宮千里
(嗚呼なんか面倒くさいことに巻きこまれた。確実に、だ。五年間で培ったは組の勘が告げている。口を開いた彼の怒涛の言葉の羅列に寝起きの頭はついていかず、殆どは右から左に抜けていってしまった。何か重要なことを彼は言った気もするし、しない気もする。あいまいである。目をぱちくりさせながら、とりあえず栞が彼のものであるという予想が正しいことを漸く認識すれば、ワンテンポ遅れて彼の言葉に返事を始めるのか)ご存知だったみたいだけど、五年は組の梅宮です。ここに居る理由は…えぇと、(ひらたき君じゃないんだなぁ。失礼にも梅宮がまず思ったのがそれだった。何かと目立つ彼ではあったが、残念ながら梅宮の脳みそは非常に偏った使い方しかされていない故に彼の呼称が滝であることは知っていても、フルネームとその読み方までは至らなかった訳で。―昼寝を口実に使えば良いだろうか、そう考えるよりも彼が自己完結し、それを口に出す方が早かった。というよりも梅宮には口を挟む隙が見当たらず、如何したものかとぽかんとしていただけなのだが。しかしながら彼がどうやら自身に都合の良い様に―つまり、好意的に解釈してくれているのだと捕らえれば、これ以上の思考は要らないだろうと、)ああ、うん、じゃあそれで良いです(人が言葉を並べ立てるより恐らく自己定義のほうがはるかに自身にとっては真実として受け止められることを知っている梅宮はこくん、と頷き彼の言葉に肯定を返す。態々ここで否定して彼の心境を悪くする必要は無い。それに今の彼の言い方であれば自分は恐らく彼についてどうどうと調査できるのではないか―思わぬ幸運にぽふ、と手を叩くと、カーディガンのポケットからメモを取り出して)じゃあ間近にきたついでに、えぇと、滝君?いくつか質問があるんだけど答えて貰えるかなー?(某昼食時の有名番組の様に、口調はいつも通り淡々としたものであったのだが、問いかけてみよう)
[No.11]
そんな中でもより輝く私に目をつけた、と…さすが先輩ですねぇ!
名前:平滝夜叉丸
(彼女の迷惑に気を回せる人間ならばまず、こんな話はし出さないだろう。彼女がしっかりと滝夜叉丸の言葉を頭に入れているかどうかなど関係はなかった、言い換えれば、聞いているものだと思い込んでいるのだ。彼女が自分のフルネームの読みを知らない、なんてことを知る由もなく綴るのは、いつもの通りのダラダラとした飛んでいきそうなほどの言葉達。適当に流してしまった彼女の返答も、自分の都合の良いように変換され届いてくるのもまた、いつものこと。)それで良い、だなんてもう先輩ったら恥ずかしがらなくても良いのですよ?ま、この美貌を目前に思わずくらりとしてしまうその気持ちもわからなくはないですけれども…ね。ふぁさり…(自らの声で効果音をつけながら前髪をかきあげる滝夜叉丸にとって、『彼女が自分のファンだ』という事実以外の選択肢は見つけることができないようで。自分にはファンがいると思い込んでいる滝夜叉丸だが、当然実際こうして近づいてきた女子は今までいなかったから、こうして女子生徒と会話することは嬉しい事実であって、いつも以上にデレデレと表情が緩んでしまう。だから彼女がメモを取り出したことも、大して深く考えずにいた。)滝くんだなんて!…そうですか、あだ名で呼ぶことによってぐっと距離を縮めようとそういう作戦ですね。わかりました、それではこの私も千里先輩、と下の名前で呼ばせていただきましょうあぁ遠慮しなくていいのです、私が呼びたくて呼ぶのですからねぇ!…で、質問でしたっけ?もちろんお答えしますとも、私に答えられることでしたらねぇはっはっは!ということで、いいともー!(すっかり上機嫌に言葉を並べると彼女の言葉に乗ってみせる。いわゆるファンサービス、ということだろうか、自分のことならばいくらでも答える気でいるようだけれど―)
[No.12]
輝くというとそろそろクリスマスだからライトアップが凄いよねぇ
名前:梅宮千里
(面倒くさがり故の諦めの速さと潔さに関しては梅宮の右に出る者は早々居ないだろう、最早理解を放棄した梅宮の脳内を占めるのは今日の夕食の献立。何が出るかなぁ、場にそぐわない事に思いを馳せつつ、時折戻ってきては、いかにも聞いていますといわんばかりに相槌を打ってみたりもするのか。よもや数学で培ったスルースキルがこんなところで役に立つとは思いもしなかったのだが)いや別に恥かしがっては…嗚呼、でも確かに、美貌と言うとそうなのかも?(感性の違いというものもあるし一概に否定は出来ない。実際彼は黙っていれば恐らく先程彼自身が言ったようにファンでもいそうなものなのだが、マシンガントークについていけない人が多いのだろうか、何処までもマイペースに思考を繰り広げつつ。梅宮の感性としてではあるが、確かにかき揚げげられた髪は以前の校内サラストランキング二位なだけはあると頷けるのだが。毛並みの良い猫みたいだ、という梅宮なりの褒め言葉を口にしながら)えぇと、長いから勝手に略させてもらったんだけど…フルネームの方が(良いのかな、と言うよりも怒涛の「口激」に目を瞬かせる。呼び名に関しても、だが拘りと言う拘りは殆ど見せない梅宮、勿論そこに関しては好きに呼んで貰っても良いのだが―話の展開にややついていけないと普段梅宮はそう思われていることも知らずに、彼のことをそう評するのか。)あ、案外ノリ良いね。素晴らしいと思うよそう言うところ。んっと、じゃあ早速だけど最近さぁ、体育委員って何やってるの?(メモ帳も黙認されたみたいである。自分すっごい頭良いな、と珍しく好転している事態に思わず頬も緩むのか―とは言えそれは余りに薄い反応ゆえに人に伝わるかどうかは別であるが。頑張ってメモを取ろうと手にしたペンを握る力を強くすれば)
[No.15]
逆。はっ!まさかそれはライトアップを見に行こうというお誘い…?
名前:平滝夜叉丸
(彼女の相槌にすっかり話を聞いてもらっている気になっている滝夜叉丸は、きっと彼女が今目の前からいなくなってもしばらく話し続けるに違いない。もちろん彼女の発する言葉たちも都合の良いところだけ、都合の良いように受け取ってしまうのだ。良く言えばプラス思考、悪く言えば自惚れ屋のこの性格は良くも悪くもこの男を調子に乗らせるわけで―)ふふふ、ようやく滝夜叉丸の美の素晴らしさに気がつきましたか!美貌といえば滝夜叉丸、滝夜叉丸といえば美貌、私のために生まれてきた言葉と言っても良いでしょうこの素晴らしい響き…!もちろんこんな一言の単語では表現しきれないものが私の中にはいくつも存在していますが、例えば優秀だけでも私を表すにはまだ足りないし、天才、秀才、華麗、それから愛、それから…(留まることのない言葉たちを果たして彼女は頭に入れてくれているのだろうか。もちろん滝夜叉丸としてはそれを前提に話しているし、聞いていないなどありえないことであるが。毛並みの良い猫という表現ももちろんプラスで受け取れば頬を緩めるのだろう、思い描くのは上品な、凛とした顔立ちの愛らしい猫である。そんな調子で呼び名に関しても自分ひとりで―滝夜叉丸としては彼女とふたりで―決定して行くのだ、)ふんふんそれではそうですね、そちらは君付け、ならばこちらもさん付けということで、千里さんとお呼びすることにいたしましょう。そうノリが良いのが滝夜叉丸、まぁあえて口にすることでもないですが千里さんがおっしゃるとおり、私は素晴らしい男ですから!(言葉に合わせて前髪をさらりと揺らしつつ彼女が質問を向けるのを待ち――飛んできたそれは、自分のことかと思えば委員会のこと。まぁそれでも自分のことには変わりはないだろう、もちろん返す返答は滝夜叉丸を中心とした返事になることは間違いなく―)体育委員ですか?それはもう、委員長の七松小平太先輩の気まぐれもしくは小野原夏帆先輩の思いつきによって校内マラソンをしたり校外マラソンをしたり時折バレーボールをしたり…はぁあ、いくらこの滝夜叉丸が成績だけでなく体力もあり運動神経抜群だと言ってもですね、あれは常識を超えているというか…おかげで委員会のある日は毎日ドロドロになりますよ、その姿はその姿でまた見ごたえがあるものだと思いますが…はっ、まさかあの人たちはこの私の疲れきった美しい姿を見たいがためにわざとあんなことを…!?(彼女の緩む頬に気づく風もなく―気づいたところできっと、自分に質問ができて嬉しいなどと都合の良い解釈をするのだが―ベラベラと喋り出す委員会活動内容。キラキラと自信満々の笑顔を浮かべていた滝夜叉丸が初めて彼女の前で疲れたような顔を見せたが、結局行き着く先はそんな、自惚れた考えであって。)
[No.17]
…残念だけど私冬は基本的に自宅警備の仕事が入ってるんで…!
名前:梅宮千里
(話に飽きてきたのだろう、自分の欲求に素直に生きることにしている梅宮はごそごそとポケットを漁ればポッキーを取り出して開封する。恐らくすばやく動けたならば彼の口に突っ込む位のいたずら心は持ち合わせているから実行しただろうが、お世辞にも機敏とは言い難い梅宮。とろとろと袋を開けば彼の眼前に唐突に差し出して「食べる?」なんて口を挟むのだ。自分もぱきりと音を立てて食べながら、聞き流す話を聞いているかのように銜えたポッキーを上下に振って見たりして。)ううん、そうだねぇ、美貌よりも華麗が一番滝君に合ってる様に思うよ、私は。…天才とか秀才って聞くとあれだ、あの、四年生の、誰だっけ、三木君?だっけ?その子を思い出すけども(美貌と聞くと思い出すのが六年生の作法委員長。天才と言うと同級生、愛と聞けば保健委員を思い出すのだ。勿論口にするのは大儀がってしないのだが。無論彼にその言葉が当て嵌まらないのかと言うと梅宮としては量りかねるのだが―しかしそういえば彼の成績は非常に優秀だと何処かで聞いた覚えがある。今彼に吹き込まれた情報だったか、それ以前だったか―認識した情報としてそれを得て居る今、それは些事であるが。褒め言葉は褒め言葉として受け取られないことが多い梅宮でも、彼が頬を緩めるのを見れば今度は正しく伝わったのだろうと微笑して)うん、まぁ、それで良いよ。…ということは私は滝君に対して正しい認識を持っていたという事になるのかな(うん?と首を傾げながらも、またも揺れた髪に、あの前髪のちょっとはねてるアレは元気のバロメーターだったりしたら面白いのになんて失礼なことを考えつつ、本題である委員会の様子を聞くことに成功すれば必死に書き留めるのか)ふぅん…じゃあ結構いつも通りなんだね、体育って。お疲れ様です。常識超え…私から見ると体育委員の活動って人の限界を無視してるような気がするんだけども(疲れた様子を一瞬見せた彼に、甘いものが良いよ甘いものが、と先程あけたポッキーの袋を再度差し出す。彼は恐らく自分よりはるかに体力があるだろうが、それでも恐らく自分が見る限りで非常に精力的に活動している委員会ナンバーワンと言えば体育であって。暑かろうが寒かろうが校庭を只管走り続けたり、恐ろしい速度のボールを弾いたりしている体育委員会は、最早運動部。大変だろうねぇ、なんて人事の様にいえるのは、自分が恐らく学園一平和かつ地味な委員会に所属しているからか―)
[No.19]
じ、自宅警備?つまりはその…お留守番、というわけですか?
名前:平滝夜叉丸
(ぺらぺらと語りだせば止まらない滝夜叉丸も、目の前に差し出された棒状のものにはたと言葉を止めた。ポッキー。脳内にワンテンポ遅れて彼女の差し出した菓子の商品名が浮かび上がり、そうしてやっと、それを勧められていることに気づく。友人から菓子を貰う機会など滅多にない男だ、ぱちくりと目を瞬かせれば受け取って、)いやーありがとうございます、千里さんからいただいたポッキー!私もこいつを食べることを喜び、こいつも私に食べてもらいたがっている…素敵な偶然、小さな運命という奴ですね。それでは、いただきます!(大げさな台詞を躊躇することなく零したかと思えば早速口にしたそれは口内でパキっと弾けて甘く溶ける。思えば最近コンビニやスーパーで菓子類を買うことが滅多になかったものだから、「美味しいですねぇ」と頬を緩ませる理由は懐かしさが大半を占めるだろう。)華麗…華のように麗しい、その言葉が私に一番似合っている、と。そうですか、そうですか!今まで、私を一言で表すとするならばどの言葉が相応しいのか考えておりましたがどれも満足いかず悩んでいたのです、が!千里さんがそう言ってくださったことで決定することができました、滝夜叉丸をもし仮に一言で表すとするならばその言葉は「華麗」!溢れんばかりの魅力がぎゅっと詰まった言葉…後押しをどうもありがとうございます。まぁ天才や秀才も私に相応しい言葉と言え……みき?ま、まさか田村三木ヱ門のことを言っているのですか!?だめです千里さん、あいつは自分のことを「学園のアイドル」なんて言っておりますがあんなのはただの自称、実際は全くそんなことはないんですよ!(まさに自分のことは棚に上げた言い分で、彼女の田村に対する認識を改めさせようと声を上げる。同学年でライバルと言える男の名を出されては否定せざるを得ないのだ。そしてどちらを聞いても思い出すのは自分―滝夜叉丸であってほしいという願い。一方的な我侭のような滝夜叉丸の想いは、本人の中では絶対で、穢れのない真っ直ぐなものであるのだった。)えぇ、滝夜叉丸は素晴らしい、という認識は全く間違っておりません、まるでその通り。むしろ素晴らしいと一言で片付けられないような素晴らしさが私には内在しております故そちらのほうもこれから知っていっていただければと…まぁ今でも十分オーラで伝わっているでしょうが、(彼女の興味が自分の髪に移ったことがその視線から解って、ここぞとばかりに毎朝早起きをしてセットしている髪をふぁさり、ふぁさりと揺らしてみせようか。委員会の活動内容を一通り簡単に説明し終えれば、やっとそこでそのメモの存在が気になった。)えぇ、いつも通り苦労させられてるんです…千里さん、ありがとう。何より委員長が人の限界を超えたような人ですからね!…ところで、メモを取るほどのことでしたか?今の。(差し出された袋からポッキーを一本いただきつつ、ふと零した質問は純粋に気になったそのままの言葉で特に深い意味はなかったのだけれど、彼女はどのように受け取っただろうか。新聞部、もしくは学級委員長委員の放送のネタにでもなるのだろうか。彼女の所属する委員や部活を知らない滝夜叉丸はぼんやりとそんな疑問を浮かばせたが、とりあえずはとサクサク音を立てながら細長のビスケットを齧るのだった。)
[No.21]
……そういえば滝君の冬のご予定はどうなってるのかな?デート?
名前:梅宮千里
(あー、やっぱり甘いものは良いねぇ。思考を占めるのは最早目の前の菓子。自身の目的すら殆ど忘れかかっている中、菓子の袋の下にあるメモ帳の存在など梅宮にとっては既にあって無いもの。さくさくと菓子を噛む音だけがそこにあるのか。運命、なんて出してくる彼はロマンチストなのだろうか。否定すべきか肯定すべきか迷って結局、いつもの如く「そーだね」なんて適当に流してしまうのか)お菓子に運命だとあれだね、滝君はロマンチストだねぇ。女の子に言ってあげれば良いのに(学園一引きこもってる女、梅宮である。五年生の事情すら疎いのに四年生の事情等なおさら疎くて。よく言うと噂には振り回されない、正直に言えば万事を大して気にしない、自分の尺度で物をはかるからこそ、そんな事を。ウザイと聞く慣れれば面白いし、外見は自称するだけの事あって綺麗の部類に入るから、梅宮の中で彼はさぞかし女子に人気もあろうと位置づけられていたからのセリフであったのだが)そうそう。華があるし、綺麗で礼儀正しいから華麗で良いと思った。…うん?苗字は知らないんだけどね、会計委員の、あの綺麗な(モデルガンの子、と言わなかったのはとっさにモデルガンと言う言葉が出てこなかったから。やっぱり仲良しかなぁなんて楽観的に構えていたのだが矢継ぎ早に出てくる言葉におぉう、なんて間抜けな声を上げ。どうやら自分の見当違いであったことを悟れば)―宿命のライバル?(ぽむ、と手を打って思い返す彼の言った「運命」の言葉。ならばここも其れらしく言った方が良いのか―なんて打算とは関係なく、梅宮の日常に組み込まれていたのが漫画だから、そんな言い回しが出たのだが。成績優秀で宿命のライバルが居るなんて漫画の主人公みたいだ、メモ帳に「主人公」と書き記せば、「その件に関しては今後検討しておきます」なんていって見るのか。)ほほー…えーっと、よくわからないけど、凄いね。なんていうかあれだ、やる気に満ちてると言うか、(やる気の欠落している自身から見ればあの体育委員会に所属している事や、精力的に活動している彼は尊敬対象に入るのか。凄いと言う言葉に他意はなく、実際にそう思っての言葉で。メモを取るのに必死になっていれば、指摘されたメモ帳の存在。言い訳を考えていなかったことに気付けば即席で考えるしか無いのだ)―滝君の素晴らしさを後世に伝える為…?(「後クラスの子に話してあげれば喜ぶかな、とか」なんて、面倒くさがりが祟ってか高じてか普段はポーカーフェイスなんて言われている、何を考えているかわからない表情のままであったのだが、内心久しぶりに焦りを感じていて―パニックに陥らないのは妙に冷静な部分が残っているからか、「嫌なら止めるけど、」と付け加え、メモを閉じるのだ)
[No.24]
…ファンが悲しみますからそんな予定はないですねぇ。先輩は?
名前:平滝夜叉丸
(彼女の緩い雰囲気は滝夜叉丸にとってどこか温かいものに感じられていて、文句を言わずに話を聞いてくれる女子生徒の存在にただただ調子に乗るばかりだ。それに付け加え彼女は大抵肯定の返答をしてくれるものだからにやけずにはいられない。彼女の頭の中が滝夜叉丸よりも目の前の菓子で埋まっていることなど露知らず、彼女の言葉を受け取っては終始ニヤニヤ、にこにこと機嫌の良さそうに笑い、)えぇよく言われます、滝夜叉丸はロマンチスト、まるでおとぎばなしの王子のように輝いているね、と。…お、女の子に、ですか?それは…はっ、そうか、千里さん貴女という人は全く言って欲しいなら素直にそう言ってくれれば良いのですよ!ふふ、わざわざ言わずとも明らかな事実でしょうがそれではあえて言葉にいたしますね、ここで千里さんと出会ったのもそう天使の導き。そう、運命なのです!(はふ、と陶酔したため息を漏らしつつ紡ぐ言葉は、運命。今滝夜叉丸の中では、彼女は自分に気があるという前提が成り立っている。その上で彼女の言葉を聞いて、運命だなんてそんな甘い台詞を自分に言って欲しいのだという希望を遠まわしに伝えられたのだと、そう受け取ったわけだ。それを聞いたら彼女に答えずにはいられない、そんなわけで意気揚々と口を開いた本人としては、彼女の期待に答えられた気でいるのだが。)…確かに、三木ヱ門もこの滝夜叉丸には及ばないにしてもそれなりの容姿に恵まれそれなりの成績を残しそれなりの実力も兼ね備えている、かもしれません。しかぁし!宿命のライバル?そんなことはありません!あいつは私の背中を追ってきている…私は前を行くものなのです、言わば奴にとっておれは越えられない存在!まぁでも千里さんが言うならば…百歩、いや千歩、いやいや万歩譲って「宿命ライバル」と言ってやっても良いですがな!はっはっはっはっは!(腕を組んで偉そうに笑い声を上げながら、田村三木ヱ門本人が聞けば確実に抗議を申し立てるような言葉をベラベラと発し、何かを書き込む彼女を横目に一人で自身の台詞に頷いて。そしてちらりとそのメモ帳に書かれた文字を目に留めたならば、満足気にふふんと鼻をならそうか。主人公、だなんて、滝夜叉丸が喜ばないはずがない。―やる気に満ちている、という体育委員への表現は強ち間違っていないだろうが、その一言では終わらせられない何かがある。満ちすぎて溢れている先輩たちにこれからもついていけるのか。「そうなんですよねぇ」と疲れたようにため息をつけば、まぁそれをどうにか潜り抜けるのが天才の役目、と一人納得するのだ。)…私の素晴らしさを、後世に…そして千里さんのお友達に…?いや!嫌だなんてそんなことは全く滅相もございませんむしろ大歓迎、そうですよねぇこの私の素晴らしさは学園中の皆が承知のことと思いますが詳しく知っている者は私と接触したもののみ、皆恐れ多いと考えているのかあまり私と話そうとしませんからねぇ。ふふふ、それならばこの滝夜叉丸の素晴らしさいくらでもお教えいたしましょう!まず私が生まれたときのこと、私がおぎゃあと産声を上げた瞬間鳩が一斉に希望に向け羽ばたき虹が現れ、流れ星が幾つも飛び交ったそうです。誕生から美しいのがこの男、滝夜叉丸。それはそれは美しい赤ん坊で、泣き声は歌うように透き通りそれから(彼女の即席の言い訳はまさに滝夜叉丸のドツボに。止めるどころか、むしろ止まらないのはこの男の方、彼女に止められるか何かアクシデントが起きない限りいつまでも誕生から今までについて語り続けるのだろう―)
[No.25]
ファン第一とは偉いねぇ…私は、うん、基本的にはインドアだから
名前:梅宮千里
(さくさくさくさく菓子を食べながら、聞いているのか居ないのか、兎にも角にも姿勢だけは聞いているように見える。それは委員会で培った力だろう。つまり現委員長代理の豆腐に対する薀蓄を聞き流す事になれた梅宮だから、無意識のうちに聞き流しつつも相槌が打てるようになったのか。授業中にこれをやってしまうのは真面目な生徒にとっては弊害でも梅宮には何処吹く風なのだろう。あ、飴食べる?なんてポケットから新たに菓子を出しながら)王子様…んん、言われるんならそうかもねぇ。え、や、私は…あー、うん、ありがとう?(良く言われる、と彼がそう言うのならそうかもしれない。詮索の類は労力の無駄であると考えているからそうなんだ、なんて相槌を打って聞き流す。王子だのなんだのってさらりと褒め言葉として仕える人が居るんだなぁなんてのんびり考えていたのなら、なぜか自分に向かったその言葉。何ゆえ行き成りそんな言葉が自分に向かってきたのか意図がわからずきょとんとするも、言って欲しいなら、なんて言われたからには自分がそういったニュアンスの事を言ったのだろう。覚えは無いが。その言葉から察するに恐らく彼は善意で言ってくれたのだ、一応礼を述べようか。)それなりが多いねぇ…でも私からすれば二人とも凄いと思うんだけど(恐らく自身が彼等と同じ頃の成績はどれをとっても恐らく及ばないだろう。得意科目ならいざ知らず、梅宮の得意といえば公民科のみであるし、他は平均点を多少上回れば上出来という具合だったのだから。どっちも凄いじゃ駄目なのかなぁ、ぼんやり空を仰ぎながら)それはあれだねぇ、なんというか、多大に譲歩してもらっちゃって申し訳ないなぁ。あ、でもライバルとか居た方が切磋琢磨とか出来てなんていうか…お得だと思うよ。超えられない壁って言うのはなんか悲しいなぁ(んん、と考え込みながら、とりあえず仲は良さそうであると判断して。会計委員会に友人が居るというのは強みである。予算会議においては無意味かも知れないが、それが上級生ならば委員長に一言言うくらいはしてくれるかもしれない。勿論そんな打算など無しの友情である事は間違いないし、かく言う自分も会計委員会に友人は居るのだが―それにしても彼の台詞回しには感嘆するばかりである。国語が得意なのだろうか。今度ちょっと聞きに行ってみよう。五年生の問題でも彼なら出来そうな気がした梅宮は、そんな計画を企てるのか。彼の溜息に空気を読み取れば、慌てて「良かったら今度火薬に遊びにおいでね、えぇっとお菓子パーティーとかやってるから、」なんて本当に「そんなことでいいんかい」代表の火薬委員会の活動内容をあげつつ、励ますように頑張れと拳を握ろう)そうそう、後世アンド友人に…!あ、そ、れは良かった。うん、なんというか皆滝君のキャラを誤解しているようだからね、面白い人だと言うことを、ね?(こくこくと必死に頷く。は組の伝統だろうか、梅宮も例に漏れず一言も二言も多い性格であるが彼がつらつらと生誕から語り始めたのを聞けば、今度はICレコーダーでも持って来た方がいいのだろうか。誰か持ってる人居ないかなぁなんて物凄い量の情報に目を回さんばかりである―と、タイムリーと言うべきか。予鈴が鳴ったのを耳にすればゆっくりと立ち上がる。次の時間は大好きな社会科の時間であるのだから、梅宮は是が非でも参加したいところであって)ええと、とても素晴らしい話だとは思うんだけどね、生憎予鈴が鳴ったから私失礼しなきゃいけなくって…ううん、そうだね、また今度、その話はゆっくり聞かせてくれると嬉しいな(メモ帳を畳んでポケットに突っ込み、彼の反応を待てば、一緒に校舎に向かうなりこの場で別れるなりとするのだろう―今度はICレコーダーを持って、委員長代理の彼に仕事を押し付けよう、そんなことを考えながら教室に向かうのか。)
[No.27]
インドア?それはいけません、私が連れ出してさしあげましょう!
名前:平滝夜叉丸
(自分の話を相手が聞いていないなどという感覚は滅多に生まれてこない滝夜叉丸だ。差し出された飴を受け取った時だって、自分の喉を気遣ってくれたのだろう、そしてもっと話が聞きたいのだろうと自分の良い方向に良い方向に考えを働かせ。礼を告げてから飴玉を口内へ放り投げたならば、曖昧ではあれど肯定の意味を持つ言葉たちに満足気にうんうんと頷いて)私はこの国の王の息子ではない…しかし、それでいて王子と呼ばれるだけのオーラをこの身に纏っているということ!嗚呼輝かしいこの身が疎ましくそして愛おしい…憧れや尊敬の念はもちろん、きっと私は嫉妬や妬みも向けられていることでしょうそれも全て素晴らしすぎるが故のこと!しかし私は負けません何故なら!私は、平滝夜叉丸だから…!そんな私と運命で結ばれ出会えた千里さん、貴女は本当に運が良い人です。そして私を選んだそのセンス!さすがです、まぁこれだけのオーラを発していれば?目に留まるのは当たり前とも言えますがねぇおーっほっほっほ!(もちろん他人に“王子”などと呼ばれたこともなければ、彼女が自分を選んだわけでもない。しかし脳内変換の何と恐ろしいことか、全てが自分の良いように解釈されるのだ。彼女は自分に好意を寄せているのではないだろうか?もちろん、恋愛方向の意味で。そんな考えすら浮かぶほど、滝夜叉丸の脳内はめでたい。)確かに私は凄いと言えましょう。しかし三木ヱ門は特別何が凄いわけでもありませんよ、千里さんのほうが素晴らしい人です!あえて言うなら、あいつは凄いモデルガンマニア、というくらいでしょうかね。他の面では私の足元にすら、足元にすら!及ばない!(ふ、とそこでまたさらりと髪をかきあげる仕草。とりあえずは彼のことを否定せずにはいられないのだ、それだけ仲が良いのだろうと言われることもあるが本人にとっては心外で、きっと田村にとっても同じようなことが言えるだろう。どちらもと並べてしまわれることを拒否するのは、最早癖のようなもの。)ライバル。…ライバルですか、そうだなぁ…私としては実力をとっても美貌をとっても、ライバルと呼べるのは六年い組の立花仙蔵先輩くらいですが、まぁ千里さんがそこまで言ってくださるのなら…それこそ万歩譲って三木ヱ門をライバルの「ラ」くらいまでなら認めてやってもいいかな。まぁ私が奴にとってこえられない壁だという事実は変わりませんが、よじ登らせてやるくらいはしましょうかね。振り落としてやりますがね!(六年の先輩をライバルだなどと大きく出た後、少しだけ犬猿の仲の彼を認めてみせようか。今更ライバルと呼ぶには気恥ずかしくてそんなことはできないけれど、口では認めないだけで彼もまた実力があることくらいわかっているのだ。もちろん、自分が劣っているとはこれっぽっちも思っていないのだけれど。彼女が何を考えているかどうかなど露知らずそんなことを述べたのならふふんと腕組でもひとつ。彼女の委員会への誘いには「是非!」と嬉しそうに笑ってみせよう。――面白い、などと言われたのは初めてだ。益々調子に乗って語りだそうとした、時のこと。響く予鈴の音に校舎を見上げれば、彼女も立ち上がり戻る様子を見せた。もちろん故意にサボることなど考えてもいないから、滝夜叉丸もそれについていこうと頷いて―)そうですね、放課後にでも来ていただければいつでもお話しますよ!委員会がなければ、ですが…はぁ、今日は確か、バレーボールだったかな…(本日放課後の委員会の予定を思い出しながら重いため息を落としつつ、彼女と一緒に校舎へと。その道のりも唇は休むことはないだろう、逃げずに話を聞いてくれた彼女と小さく生まれた感情にほくほくとしながら、その後の授業も上機嫌に臨むはずだ。)
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