[No.1] 【1stイベサンプル】(放課後、校門からの人の流れを逆に進み) 名前:小松田秀作
(彼がインクがなくなったことに気が付いたのは、まだ午前中のことだった。あれがないと調べてみれば、これもそれもと買い忘れていたことを思い出して、事務用品の買い出しに行くと告げて学園を離れた――のだけれど、買い出しを終え、遠くから耳にした特徴的な学園の鐘の音は、確かに放課後を告げるものだった)
あれぇっ、もうこんな時間?大変だぁ、早く帰らないと!
(色々なハプニングが重なるのは、彼にとっては良くあることだけれど、それでも買い出しについては無事―と思い込んでいるが、実際は買い間違いばかりで―済ませ、大慌てで学園までの道のりを進んでいた。みんな心配してるだろうなぁ、なんて考えは、少し外に出てくるとメールを入れた事務主任すら、“小松田の帰りが遅いのはいつもの事だ”とのんびりお茶を楽しんでいたりするのだから、無用の心配に過ぎないのだけれど。――漸く見慣れた校門が見えてくる頃には既に帰宅を始める生徒の姿が点々としており、彼に焦りを生ませる。たっと彼が小走りになったのと、彼の手にした袋が側の木に引っかかったのはほぼ同時か。勢いよく裂けた袋の中身が地面へと落下していく中、そんな事に気付く素振りも見せず、彼は校門を目指して――)
[No.2] 小松田さんは、もぉ一人で買出しに出るの禁止だよぉお! 名前:百枝梢子あれぇっ、もうこんな時間?大変だぁ、早く帰らないと!
(色々なハプニングが重なるのは、彼にとっては良くあることだけれど、それでも買い出しについては無事―と思い込んでいるが、実際は買い間違いばかりで―済ませ、大慌てで学園までの道のりを進んでいた。みんな心配してるだろうなぁ、なんて考えは、少し外に出てくるとメールを入れた事務主任すら、“小松田の帰りが遅いのはいつもの事だ”とのんびりお茶を楽しんでいたりするのだから、無用の心配に過ぎないのだけれど。――漸く見慣れた校門が見えてくる頃には既に帰宅を始める生徒の姿が点々としており、彼に焦りを生ませる。たっと彼が小走りになったのと、彼の手にした袋が側の木に引っかかったのはほぼ同時か。勢いよく裂けた袋の中身が地面へと落下していく中、そんな事に気付く素振りも見せず、彼は校門を目指して――)
(いったい小松田さんはどこにいるんだろうかと、彼女が校内を探し始めてからもう随分と経つ。普段から学園中を入門票と出門票をもって走り回っている小松田だから、事務員室に居なかったのは序の口だとして、中庭や校門前、グラウンドの端や果ては渡り廊下までくまなく探したのにも係わらず、小松田の姿は見えなかった。もう知らない!とバッグを背負った彼女は、頬を膨らませた表情のまま校門に向かい、帰宅を始めて)
ここまで来たらー、避けられてるとしか思えないもん!小松田さんのぶぁあか!
(小松田が買出しに出てそのまま迷子になっている――なんて事を知らないものだから、一人ぷんすかと機嫌を損ねて、不機嫌そうな表情を浮かべる。ふと、目の前に両手に買い物袋を持って彼女へと向かって走ってくる人影に気づけば、立ち止まってその人影を確認し――そして、“こ、小松田さん!?”なんて思わず、小声で叫んでしまったのは、小松田の脇にポロポロと物が落ちていく影に気づいたからだ)
うちょぉお〜っ!小松田さーん、ストップストォーップゥ!!色々落としてるよぉお!
(両手を前に突き出して通行止めのポーズをとり、走ってくる小松田を止めようと声を張り上げた所為で、周りの生徒の視線が集まって来たけれど、今はそれを気にしているときではなくて――)
ここまで来たらー、避けられてるとしか思えないもん!小松田さんのぶぁあか!
(小松田が買出しに出てそのまま迷子になっている――なんて事を知らないものだから、一人ぷんすかと機嫌を損ねて、不機嫌そうな表情を浮かべる。ふと、目の前に両手に買い物袋を持って彼女へと向かって走ってくる人影に気づけば、立ち止まってその人影を確認し――そして、“こ、小松田さん!?”なんて思わず、小声で叫んでしまったのは、小松田の脇にポロポロと物が落ちていく影に気づいたからだ)
うちょぉお〜っ!小松田さーん、ストップストォーップゥ!!色々落としてるよぉお!
(両手を前に突き出して通行止めのポーズをとり、走ってくる小松田を止めようと声を張り上げた所為で、周りの生徒の視線が集まって来たけれど、今はそれを気にしているときではなくて――)