Present for 鉢屋三郎
(やたらファンシーな小さい紙袋。入手先は学校の近所のファンシーショップか。中には動物やら花やらをか象ったグミの袋が幾つか詰め込まれている。真白いメッセージカードにはきちんとふゅーじょんの出来ている狸と狐のイラスト。その二匹の吹き出しの中には一言、短い言葉の後にキラキラと絵文字のように星が書き込まれていた)
豆腐の買出しお疲れでした
序に晩飯も作ってきたよ。豆腐料理のバリエーションは増えた…。 //鉢屋三郎
(周りが浮かれてようと居まいと何でも良かったけれど、基本的に貰える物は貰う主義の鉢屋。バレンタインに人並み以下の興味しか覚えて居ない乍も、食料調達に困らない今日はそこそこに嫌いでは無い。そんな中、鉢屋の元へと届けられた包みは、狙ったかのように可愛らしい物だったけれど、大して気にする素振りも無く、友人達との談笑交じりに開いてみれば―転がるグミに、少し物珍しい物を見る様な視線を送って、その場で一つ食べ始めようか。「バレンタイン?」、ぱくぱくグミを食べ進める鉢屋に疑問の声が掛かったなら、緩慢な動作で首を傾げて)…恐らくね。(添えられたメッセージカードをひらひらと揺らし乍、また一つグミを口の中へ放り込む。メッセージカードを彩るイラストにほんの少し目を細めたように見えたのは気のせいだろうか―友人には、“機嫌いいな”なんて察せられてしまうのだけれど―)…近い内に変身して遊びに行ってやるかな。(そんな戯れを口にして、グミを食べ尽くすにはそう時間が掛からなかっただろうか―)