(冬の寒空の下今日も体育委員は委員長の好むバレーボールを弾ませている。数日前に比べれば今日は天候も良く青空が透き通っていてバレー日和だ!という委員長の言葉も確かに納得はいったが、理解が出来るわけもない。次屋は冬だと言うのに浮かんできた汗をジャージの袖で拭いながら、グラウンドの側にある木の根元に座り込んだ。いけいけどんどーんと言う委員長の口癖は今日も晴天に響き渡っているが、彼はひとりバレーボールを打つことで満足しているのか、委員の姿はちらほらと居たり居なかったり。真面目に彼に付き合って居たり、居なかったり、もしくは全く別の競技を始めていたりと、しごく自由だった。まるで体育の授業の自習時間のような雰囲気は最早慣れたもので)
――…あっつー…
(冬のはずなのにそんな事を呟きながら、今だ活動中の生徒たちを見回す。座り込み立てた膝の上に預けた両腕はだらりと垂れて。疲労の色が浮かぶ彼の目には、今日も平和な委員会が映っていた――)